2009年04月14日(火)

自称モンマルトルのアトリエ

自称モンマルトルのアトリエ舞台美術で参加した朗読公演「こもれび de 安房直子朗読館」は盛況のうちに無事終了いたしました。
来て下さった方々本当にありがとうございました。

さてさて、今回のイベントが行われたのは、偶然にもままやがかつて一人暮らししていたことのある土地でした。住んでいたのは20年近く前のこと。
引っ越してから数年後に一度だけ訪ねたことがあったものの、それからさらに10年以上は経っている。本当に久しぶりに訪れたんでした。
駅舎も駅前の通りもすっかり様変わりしてまるで知らない街。でも気をつけて歩いているとちらほらと見覚えのある建物が。そうそう、そうだった、毎日この道歩いたんだっけ。と、少しずつ記憶がよみがえります。
公演の準備中にちょっと空き時間ができたので、以前住んでいたアパートのあたりまでぶらぶら散歩してみることに。
すると、当時すでにかなりの築年数だったはずのそのアパートが、プレートもそのままにまだちゃんと建っているではありませんか!
門とドアが換わっていて改装したらしい形跡はあったが、建て替えるからって言って立ち退かせたんじゃなかったのか?ち。大家のウソツキ~===!! と内心思ったけども、ま、それは昔のハナシだからまあいいや。

あの部屋は本当に思い出深く、あそこに住めたことを今も感謝している。
貧乏だったので、家具や家電などろくろく揃っていなかったが、ささやかな空間を自分の思うようにしつらえたいという欲望をまるごと受け入れてくれた部屋で、遊びに来てくれた友人たちの評判もおもしろかったな。
もう好き放題、チープでレトロでキッチュな雰囲気に飾りたててたので、「まるで『となりのみよちゃん』みたいな部屋だ」とコメントした友人もいた。
なにしろ、食べ終わった駄菓子のパッケージだの、図書館で借りてきた古い写真集のページをコビーして色付けしたものだの、アングラ芝居のチラシだの、部屋中に貼りまくって、大好きな本だけ並べて、吊るした色電球の下で幻想文学を読みふけったりしていたのだ。
部屋に舞台装置を作ってその中で寝ていたこともあった。結局セットがどかせないので、遠方はるばる訪ねて来てくれた学校時代の先輩を台所に寝かせたりもした。
そうして自分で勝手に「ここはモンマルトルのアトリエ」などと思っていたのだった。
あの部屋に比べたら今の家とアトリエなんて全然おとなしくて、ふつーもふつー。

部屋のことばかり鮮明に思い出すが、街の記憶は曖昧だ。
駅前にあった古本屋さんが少し先に移転していること、時々行ったラーメン屋さんがまだ残ってること、通り過ぎるばっかりでちっとも買わなかった和菓子屋さんもまだ営業してること。くらいしか確認できなかったな。
やはり、若かったあの頃の私はあまりに浮ついていて、部屋には住んでいたが、今この柏に住んでいるように本当の意味であの土地に住みついてはいなかったのだなぁ、なんて思いながら歩いたりして…。

相方と暮らすようになり、年齢的にはじゅうぶん大人になったが、相変わらず本が好きだし、やはり現実よりもお話の世界の方がリアリティがあるような気がしてる今の自分って、どうもかなりヘンな大人になっているらしい。
それでも、お話の世界のために何かを作ることで、なんとか現実と繋がっているのだと思うわけです。

写真は今回の朗読公演のための作りもの。朗読のテーマ、安房直子さんの本を飾ったブックシェルフです。
あろうことか、公演中デジカメを忘れ、舞台写真が撮れなかったので、アトリエに仮設置した写真を載せます。見づらい画像ですみません。
QRCODE
投稿者 ままや 11:20 | コメント(0) | トラックバック(0) | いろいろ
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